建設法・CIPAA
マレーシア建設業支払裁定法(CIPAA 2012)とは?
建設業界の支払トラブルを迅速に解決するための法的仕組み
マレーシアの**建設業支払裁定法(Construction Industry Payment and Adjudication Act 2012/CIPAA)**は、2014年4月15日に施行されました。
この法律の目的は、建設業における支払いの円滑化と迅速な紛争解決を実現することにあります。CIPAAにより、支払い遅延や未払い問題に対して裁定(Adjudication)を通じた短期間での解決が可能になりました。
CIPAAの対象と特徴
CIPAAは、最終支払い・中間支払い・進捗支払いなど、支払いに関する紛争に限定して適用されます。
建設契約書に明記された金銭請求(work done, services rendered)に基づく未払いがある場合、未払い当事者(クレーマー)は「支払い請求(Payment Claim)」を提出し、支払側(レスポンデント)は「支払い回答(Payment Response)」を10営業日以内に提出しなければなりません。
CIPAAの裁定手続きは約100営業日以内で完結することを目指しており、通常の裁判手続きよりも迅速に判断が得られることが大きな特徴です。
CIPAAが適用される契約の種類
CIPAAは、建設工事、設計・監理などの建設コンサルティング契約、資材・労務の供給契約にも広く適用されます。
書面契約でなくても、メールや書面のやり取りによって成立が確認できる場合は「書面による契約」とみなされます。
ただし、個人住宅(4階建未満)で自ら居住目的の建物建設に関する契約には適用されません。
また、2014年の「CIPAA適用除外命令」により、一部の政府直轄プロジェクト(発電所、水処理施設など)は除外されますが、政府系企業(GLC)による契約は対象となります。
裁定(Adjudication)の流れ
1. 支払い請求(Payment Claim)を提出
2. 支払い回答(Payment Response)を10営業日以内に提出
3. 裁定通知(Notice of Adjudication)を発行
4. 仲裁人(Adjudicator)をAIAC登録名簿から選任
5. 裁定申立書(Adjudication Claim)を提出
6. 回答書 → 再答書を提出(期限:10営業日・5営業日)
7. 裁定人が現地調査やヒアリングを実施可能
8. 裁定決定(Adjudication Decision)は45営業日以内に発行
支払い命令の不履行と対応
支払い命令に従わない場合、勝訴当事者は以下の権利を行使できます:
仕事の停止または遅延(CIPAA第29条)
元請けから直接支払い請求(第30条)
高等裁判所での強制執行・債務不履行申立
決定は書面で行われ、「一時的最終性(Temporary Finality)」を有します。
裁定結果は裁判所で執行判決として登録・強制執行(差押・倒産申立等)も可能です。
CIPAAの重要ポイント
「Pay when paid」または「Pay if paid」条項(支払遅延条件付き条項)は無効(第35条)
支払条件の明記がない場合、合理的な相場価格に基づき支払い義務が発生(第36条)
手続きは基本的に書面中心・短期間・低コスト
NZSKのサポート内容
当事務所では、
未払い側の代理(Payment Claim提出〜裁定申立)
支払側の代理(Payment Response提出〜裁定防御)
の両方に対応しています。
AIAC裁定手続きに精通した弁護士が、迅速・的確・戦略的な解決策を提供します。
お問い合わせ
未払い・建設契約トラブルでお悩みの方は、
Ng, Zainurul, Seke & Khoo(NZSK)までお問い合わせください。
日本語でのご相談にも対応可能です。
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